1.プリプレス・印刷・デジタル印刷 -ア-
アートボード~オンライン入稿
- アートボード
- アウトライン
- アウトライン化
- アウトラインフォント
- 青焼き
- 赤字
- あたり
- 圧電素子
- 圧胴
- 厚胴紙
- アブストラクトプロファイル
- 網掛け
- 網点
- 網点化
- 網点画像
- 網点形状
- アルファチャネル
- アンシャープマスク
- アンチエイリアス
- イメージセッター
- イメージバリアブル
- イメージング
- イメージングサイズ
- イメージングユニット
- 色浮き
- 色温度
- 色数
- 色空間
- 色校正
- 色校正機
- 色再現範囲
- 色玉
- 色分解
- 色分解曲線
- 色変換
- 色補正
- インキ出しローラー
- インキ着けローラー
- インキ壺
- インキ練りローラー
- インキプリセットシステム
- インクジェットプリンタ
- インクジェット方式
- インクセーブ
- インク滴
- 印刷速度
- インデント
- インライン濃度計
- ウエイト
- 浮き出し印刷
- 打返し
- 内校
- 裏うち
- 裏移り
- 裏白
- 裏刷り
- 裏抜け
- 液体電子写真方式
- エンベット
- 凹版
- 凹版印刷
- 凹版印刷機
- オーバープリント
- 奥付
- オフィス系アプリケーション
- オフセット印刷
- オフセット輪転印刷機
- オフ輪
- 折り
- 折丁
- オンデマンド印刷
- オンデマンド出版
- オンライン出版
- オンライン入稿
解説:
一般にはデザインを行う台紙の意味。DTP作業では、Adobe Illustratorの作業ウィンドウの名称として利用されている。画像、ラインアート、テキストなどを自由にデザインできるエリアのことを表している。アートボードのサイズと出力する際の用紙サイズとは異なって定義されているため、出力時には、これを合わせる(もしくは用紙サイズを設定する)ことが必要である。また、アートボードの外側の部分はスクラッチエリアと呼ばれる。
解説:
アウトラインとは外側の線、もしくは輪郭の意味を表す。DTP処理においては、文字や図形の形状を表す輪郭線のことを指す。Adobe IllustratorやQuarkXPressなどでは、フォント内部に格納されている文字のアウトライン情報をもとに、文字を、その輪郭線の形のオブジェクトに変換することができる。こうした操作を、アウトライン化と呼ぶ。
解説:
Adobe IllustratorやQuarkXPressなどでは、フォント内部に格納されている文字のアウトライン情報をもとに、文字を、その輪郭線の形のオブジェクトに変換することをアウトライン化と呼ぶ。文字をフォント情報ではなく、アウトライン化しオブジェクト(図形)情報として表現することで、文字化けなどのエラーを削減することが可能となる。しかしながら、デジタル印刷機では、アウトライン化された文字が、元の文字よりも太る(若干太くなる)といったトラブルもある。こうした現象を防ぐために、最近のデジタル印刷機では文字を明示的に細くする処理ができる機種もあるが、文字のアウトライン化を行う際には、どのように出力されるかをあらかじめ確認しておくことが重要である。
解説:
文字を点(ドット)ではなく、曲線や直線を用いて構成したフォントを総称したもの。拡大や縮小を行っても輪郭がぼやけたりジャギーが出ることがなく、品質が変わらないことが特徴である。スケーラブル(拡大縮小可能な)フォントとも呼ばれる。これに対し、文字を点(ドット)で表したフォントはビットマップフォントと呼ばれる。
解説:
複写(コピー)の一種で、工事図面の複写や、写真原版のレイアウトや文字のチェックを目的とた校正作業に用いられる方式のことを指す。普通紙ではなく、ジアゾ感光紙と呼ばれる用紙に焼付けを行うことで画像や文字を再現する。ジアゾ感光紙の感度はさほど高くないため、焼付けに時間がかかることと、印刷される寸法の精度に問題がある。しかしながら、極めて安価に、しかも容易に複写することができるため、多くの複写事業者にて図面の複写用途などに多用されてきた。
解説:
印刷物の校正紙に書き込まれた訂正のこと。一般に赤色で書き込まれることから赤字と呼ばれる。校正を記入する側と、修正を行う印刷会社側との間で指示内容の解釈に取り違えが生じないよう、赤字を入れる際に利用する指示記号や、修正のために利用される用語などは統一されている。
解説:
最終原稿を作成する前の段階で、仮に書き込まれたり指示されたりすることを指す。位置を主に指定する罫線のことをあたり罫と呼び、画像が挿入される位置や、色づけが行われる位置や範囲などを示している。また、最終原稿の高解像度画像ではなく、低解像度の画像を仮に貼りこんでおくことを、あたり画像と呼ぶ。デザイン、レイアウトなど全体の仕上がりを確認する際に利用されるものである。
解説:
ドロップオンデマンドインクジェットの中で、ピエゾ方式のインクジェットヘッドの内部で利用されるセラミック素子の一種のこと。圧電素子とは電圧をかけるとその強度に応じて変形するといった特性を持つ素子であり、ピエゾ方式では、この変形を利用して、変形度合いの大きさによりノズルからインクを吐出させる仕組みで駆動する。ピエゾ素子とも呼ばれる。
解説:
インキを刷版あるいはブランケットから用紙などの被印刷体に転写する際に、押し付けるよう圧力をかけるためのローラーのことを指す。オフセット印刷方式では、ブランケットから用紙へとインキを転写させるためにブランケット胴と対向配置されており、その間を用紙が通る仕組みとなっている。また、電子写真方式のデジタル印刷機においても、ブランケット胴を有するものはオフセット印刷機と同様に、ブランケット胴を持たない機種では、感光体ドラムの対向側に置かれていることが多い。
解説:
圧胴にインキなどのが汚れが付着した場合、給紙された用紙に汚れが移る。こうした現象を防ぐため、あらかじめ圧胴の表面に巻きつけておく用紙のこと。一部のデジタル印刷機において採用されている。
解説:
ICCにより規定されたカラーマネジメント用プロファイルの一つである。入出力機器間のカラーマッチングを行う役割の中で、画像処理に必要なプロセスが定義されているもの。例えば、色かぶりの画像を補正するための処理や、特殊効果を加えるための処理などが定義されている。
解説:
網掛けとは、製版カメラやスキャナーで分解された連続階調のあるモノクロ画像に、網目のついたフィルムを掛け合わせて再度撮影することで、連続階調を網点よる階調に変換させる作業のこと。最近のデジタル化の進展により、デジタルデータから直接連続階調の網点画像が生成されるため、網掛けという言葉は利用されなくなってきた。
解説:
印刷物では、その階調表現を行うために、微細な点(ドット)の大小などが利用される。点が小さければ(もしくは面積が小さければ)薄い(明るい)色となって再現され、点が大きくなると、点が用紙表面を覆い隠すために濃い(暗い)色として再現されるといった具合である。このように印刷物を再現するために利用される点(ドット)のことを網点と呼ぶ。
解説:
スキャナで分解された画像や、デジタルカメラより取り込まれた画像、またデザインソフトウェアにより作成されたデジタルデータを印刷物として再現するために網点に変換する作業のことを指す。スクリーニングとも呼ばれる。
解説:
網点化された画像のことを指す。通常4色のフルカラー印刷を行う場合には、4色分の別々の網点画像が作成され、それらを重ね合わせて印刷することでフルカラー印刷が再現される。網点画像用のファイルフォーマットとしては、1bit TIFFが一般的に利用されている。
解説:
連続階調を再現するために網点が用いられる場合、ドットをどのような形でサイズを変えるかには様々なものがある。こうした様々なドットの形状のことを総称して、網点形状と呼ぶ。例えば丸型のものはラウンドドットと呼ばれ、四角形であればスクエアドットと呼ばれる。これ以外にもチェーンドットなどがある。複写機や初期のデジタル印刷機では線形の形状なども多く用いられてきた。
解説:
Adobe Photoshopなどの画像処理ソフトウェアにおいてカラー画像を取り扱う場合には、画像をRGB(レッド、グリーン、ブルー)やCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)などに分解して編集を行う。このような3色、あるいは4色に分解された各色のデータはカラーチャネルと呼ばれる。すなわちRGBデータでは3つのカラーチャネルが、CMYKデータであれば4つのカラーチャネルが存在することとなる。また、これとは別に、選択範囲の情報を格納することでマスクを作成したり、特殊な処理を行うために、カラーデータとは異なる情報をもつチャネルを利用することが可能となっており、これをアルファチャネルと呼ぶ。
解説:
もともとは、印刷用にスキャニングされた画像に対して、細部のコントラストを調整し、輪郭をよりシャープにする処理のこと。輪郭強調処理とも呼ばれ、印刷物として、奥行き感のあるくっきりとした画像を再現させることを目的としたものである。最近では、同様の処理がAdobe Photoshopにおいてフィルタとして準備されていることから、アンシャープマスクがこのフィルタを直接指す場合もある。デジタルカメラなどでは、撮影した画像を一般家庭でそのままプリントすることも多いため、デジタルカメラ内部でこうした輪郭強調処理が行われている。
解説:
デジタルデータでは、画像はピクセル単位となる縦横のマス目上に描かれることになる。そのため、曲線の物体の輪郭も縦横の線により再現され、ギザギザになっている。このような現象をジャギーと呼ぶこともある。こうしたギザギザを軽減し少しでも目立たなくするため、物体の輪郭を滑らかに変化させ、背景と融させるよう色を滑らかに変化させる事をアンチエイリアスと呼び、そういった処理をアンチエイリアシングという。実際には、ドットとドットの間に中間色を挿入することで滑らかな変化を実現している。文字や図形の輪郭を滑らかにすることはスムージングとも呼ばれる。
解説:
デザインソフトウェアやページレイアウトソフトウェアなどで作成した印刷用のデータから、製版のためのフィルムや印画紙を出力するための装置のこと。イメージセッターには、データを網点化(あるいはラスタライズ)するRIPが接続されており、デジタルデータを印刷用の網点画像に変換されて送られる。イメージセッターではこの網点画像を、1,200dpi~4,000dpiといった高い解像度で製版フィルムや印画紙に焼き付けて出力する。近年はフィルムを介さずに直接刷版に焼付けを行うCTP(Computer to Plate)が普及していることから、イメージセッターの利用は減少している。
解説:
デジタル印刷技術の中の可変情報印刷(バリアブル印刷)の一つとして利用されている技術。通常、文字列の可変は、文字列をフォントとして置き換え、指定した文字列を印刷することとなるが、イメージバリアブルでは、文字列に合わせて画像を文字の形に置いていくことができる。例えば、空の画像の上に雲で宛名を描いたり、海岸の砂浜に貝殻で文字を描いていくことが可能となる。言い換えれば、イメージの中に違和感なく、別のイメージを利用して文字を差し替えていく技術であると言える。画像やテキストを個別に入れ替えるのではなく、イメージそのものが可変することからイメージバリアブルと呼ばれている。多くのバリアブルデータ作成用ソフトウェアに実装されている。
解説:
一般にはイメージ(画像)を生成するという意味で用いられる用語である。特に電子写真方式のデジタル印刷機においては、感光体上に電気的に画像を形成することを表している。主に半導体レーザーやLED(発光ダイオード素子)アレイを利用して、一様に帯電させた感光体上の電気的特性を部分的に変化させることで、画像を形成する。この画像は電気的な変化により描画されていることから、目には見えないものであり、静電潜像とも呼ばれる。当初は画像の描画速度、解像度ともに半導体レーザーが有効とされていたが、近年ではLEDアレイが用いられることも増えてきた。イメージングを行う装置部分をイメージングユニットと呼ぶ。
解説:
イメージングが可能な領域のことを表しており、一般に印刷可能領域のサイズのことを指す。より大きな面積に印刷可能であることが望ましいが、印刷方式により制限がある。最大イメージングサイズは、通常は最大用紙サイズより四辺とも3mm~5mm内側になっていることが一般的であり、デジタル印刷機の性能面を比較する尺度の一つとなることもある。
解説:
イメージングとは一般にイメージ(画像)を生成するという意味で用いられる用語である。イメージングユニットとは、特に電子写真方式のデジタル印刷機において、感光体上に電気的に画像を形成する装置部分のことを指す。半導体レーザーを利用した装置と比較して、LEDアレイを利用した装置の方がイメージングユニットのサイズを小型化できるといった利点がある。
解説:
印刷後の画像において、特定の色が浮き出ているように感じられることを指す。例えば人肌の色が赤っぽく感じられる場合などに、赤浮きがあるなどと表現される。全体に色味が変わることで、本来は色味をもたないはずのグレーが特定の色味を帯びて印刷されることもある。データが赤みを帯びている場合や、印刷の工程で起こる場合もあり、最終的には色修正を行ったり機器の調整を行うことで発生することを抑制する。
解説:
光の色を表す指標として利用され、K(ケルビン)を単位として表現されるもの。黒体放射の分光分布が、その黒体の温度によって一意に決まることを利用し、ある放射光の色度をこれと同じ色度の色光を放射する黒体の絶対温度(K)で表したもの。ディスプレイの発色の調整などに用いられる。色温度が高いほど青みを帯び、色温度が低いほど赤みを帯びる傾向がある。印刷物の観察を行う光源の色として、ISOでは5000Kの色温度をもつ光を標準光源として定めている。国内ではJISが6500Kを標準光源としていたが、ISOの規格に合わせて、現在では5000Kが推奨されている。5000Kの色光は、D50(Daylight 5000Kの略)と表現されることもある。
解説:
入出力デバイス(スキャナ、モニタ、プリンタ、印刷機など)において、表現可能な色の組み合わせ数のことを表す。モニタであれば、RGBの3原色を持ち、それぞれが256階調で色を表現できる場合、表現できる色の組み合わせは256×256×256となり、約1,670万色を表現することができることになる。印刷機でも同じ考え方ができ、CMYK各色を100%まで1%刻みで変化させられる場合には、各色の階調数を掛け合わせたものが組み合わせ数になる。ただし、印刷の場合は、CMYの3色で表した色とK1色で表した色が同じになるケースや、印刷機の特性上重ね合わせることができるインキの総量を抑えなくてはならないこともあり、単純に掛け算では求まらないこともある。一方で、Webサイトで多く利用されているGIFファイルは、最大256色しか表示することができない。これは、Webサイトでの画面表示速度を上げるための方法である。
解説:
入出力デバイスにおいて、表現可能な色を数値化し、多次元で表現したもの。表色系とも呼ばれ、主にCIEで規定されたCIE XYZやCIE L*a*b*などが利用される。色空間内では、その「色」がどのようなものか(赤いのか、青いのか、どのくらいなのか)を表すこととなるため、各種デバイスに依存したRGBやCMYKといった値ではなく、色を表す数値として表現される。一般に、人が見ることのできる色は、3つの数値(3次元空間)で表現されると言われており、色空間も3次元空間が用いられる。
解説:
印刷物のデザインや色が、指定した通りに印刷されるかどうかを事前にチェックする確認作業のこと。一般には校正と呼ばれ、文字校正、デザイン校正、色校正など、用途や見るべきポイントを絞り込んで行われることもある。色校正とは、その名の通り、主に色をチェックすることとなり、校正作業の中でも最終段階で行われる確認作業である。
解説:
色校正を行うための出力機のこと。分版された製版フィルムから銀塩写真方式で校正紙を作る簡易校正、平台校正機と呼ばれる小型の印刷機で印刷する平台校正、本番の印刷と同じ条件で印刷する本機校正などの種類がある。最終的に印刷を行う印刷機で校正出力を行なう場合は、本機校正と呼ばれるが、本機校正は非常に高価となり、修正があった場合には再出力する必要が生じるため利用度合いは低い。最近では、校正専用機として、印刷用の本紙を利用することができるものや、印刷用の網点を再現することができるデジタル校正機(DDCP:Direct Digital Color Proofer)が主に利用されている。これらを利用すれば、質感、網点再現までを印刷と同等に仕上げ、確認することができる。また、デジタル印刷機の出力品質や安定性が向上してきたことから、デジタル印刷機やカラープリンタを、高精度なカラーマッチングを施すことで校正機として利用するケースも増加している。デジタル印刷機やカラープリンタを利用する場合には、網点再現は最終印刷物とは異なるものの、色味や品質面での確認は可能であり、安価であることが利点である。
解説:
各種デバイスが表現することのできる色を、特定の色空間内にプロットすることで、どのくらいの範囲の色を表現することができるかを図示することができる。Color Gamut(カラーガマット)とも呼ばれる。主にCIE L*a*b*色空間において表現されることが多く、3次元空間へのプロットのため、立体的に表現されることとなる。色再現範囲は、その範囲(立体の体積を表すか、簡易的に2次元に表現した場合にはその面積)が広いほど、鮮やかな色を表現することができることとなる。また、ある色の方向に対する範囲が広かったり狭かったりすると、その色の方向の表現力が高かったり、低かったりという特性を把握することができる。典型的な例としては、モニタで表現することができる色範囲と、印刷で再現することができる色範囲を比較すると、圧倒的にモニタの再現範囲が広いことがわかる。これは、モニタで表示している色を全て印刷で再現することができないことを表している。
解説:
出力時のインキの濃度管理などを行なう目的で、トンボの外側(余白部分)に印刷する色原稿のこと。円形のCMYKそれぞれのデータを利用したことから色玉と呼ばれる。最近ではコントロールストリップと呼ばれる棒状の原稿を利用し、刷り色の各色のベタ、50%、25%などの色や、掛け合わせ色なども合わせて印刷することで印刷面全体の管理を行なうことが一般的である。
解説:
一般にはカラーデータを印刷用のCMYK画像に分解することを指す。従来、色分解はスキャナによるデジタル化の際に行われることが多く、その時点でスキャナオペレーターが色調を調整しながら色分解を行っていたが、近年はデジタルカメラの普及により、写真データがデジタルデータで入稿されることが多くなり、色分解を印刷時に行うことも増加している。CMYKへの分解に際しては、CMY のカラーインキにK を加えることで、CMYの3 色だけでは不足しがちな中間部からシャドウ部の濃度を上げることができる。そのため、KとCMYの使用バランスにより、CMYK 画像への色分解には何通りもの組み合わせが存在し、印刷においてKの利用は重要な要素となっている。
解説:
カラーデータを印刷用のCMYK画像に分解する場合に、各色をどの程度利用するかを特性曲線として表現したもの。Kをどの程度利用するかにより、CMYの3色の利用度合いが低くなる様子や、様々な特性を加味した分解方法を利用する場合などにおいては、色分解曲線を見ることで、その特徴を理解することができる。
解説:
カラーマネジメントやカラーマッチングのプロセスにおいて色の分版値を指定されたルールに従って変更すること。通常は色変換前と色変換後では異なる分版値を有することとなる。例えば、デジタル印刷機のM100、Y100の金赤を、オフセット印刷の金赤に合わせるために、C4、M100、Y95と変更するなどである。自然画像においては、各ピクセルごとの値を一つずつ変更していくこととなる。
解説:
デジタルデータ上で、データの明るさやトーン、濃淡などを調整すること。カラーコレクションとも呼ばれる。好みの色調に変更するために行われるばかりでなく、印刷に適した特性を持つように補正することもある。をデータレタッチを行なうソフトウェア(Adobe Photoshopなど)では、様々な補正用のコマンドが準備されており、メニューから選択することで行うことができる。
解説:
印刷機において、インキ壺を構成するローラーのこと。インキ出しローラーによりインキ壺からインキが供給される。インキ出しローラーとブレードとの隙間からインキが供給され、その後インキ移しローラー、インキ練りローラー、インキ着けローラーの順で受け渡されていく。
解説:
印刷機において、刷版上にインキを着けるローラーのこと。インキ練りローラーにより一定の粘度をもったインキは、インキ着けローラー上で均一な膜厚となり、刷版上に転写することとなる。
解説:
印刷機において、供給するインキをためておく場所のこと。インキ壺から、インキ出しローラーによりインキが供給される。インキ壺には壺ネジと呼ばれるインキの供給量を調節するネジがあり、用紙幅方向(用紙の進行方向に対して垂直な方向)のインキの供給量を調節することができる。最近はキー入力を行い設定することで電気的に調節を行なうことができるため、インキキーとも呼ばれる。例えば、印刷面のある部分に濃度の高い絵柄が入っていた場合、その部分のインキは他の部分より多くインキを消費することになるため、壺ネジを調節することで、全体に一定のインキが供給されるようにするのである。この調節に不備があると、印刷面を一定の濃度で印刷することができなくなり、品質に大きな影響が出る。
解説:
インキ出しローラーから供給されたインキがインキ移しローラーに受け渡され、最後にインキ着けローラーで刷版に転写されるまでの間で、インキに一定の粘度と流動性を与える役割をもつローラーのこと。
解説:
主にオフセット印刷機において、インキ壺のインキキーおよびインキ出しローラーの回転量を設定し、自動的に一定のインキを供給するシステムのこと。あらかじめ刷版上での各色の濃度を読み取り、濃度の高い部分には多くのインキを供給するなど自動的に設定する。
解説:
微細なノズルの先端からインクを用紙などの印刷媒体に吹き付けて印刷を行なう方式のプリンタのこと。印刷市場では、NTTの電話料金明細の印刷をプリントするなど、モノクロの文字を高速に印字する技術として利用がスタートした。その後、家庭用プリンタとして速度は遅いが品質の高いプリントが可能な技術へと発展し、大判化が進むとともに、近年では速度と品質を両立した業務用のインクジェットプリンタも登場している。
解説:
一定間隔に並べられたノズルから液体のインクを吐出することで、印刷媒体上に画像を形成する印刷方式のこと。デジタル印刷の主要な印刷方式の一つである。インクの吐出方法により、ドロップオンデマンドインクジェットおよびコンティニュアスインクジェットに分類される。インクジェット方式の最大の特徴は印刷媒体と接触することなく印刷が可能なことであり、用紙以外にも木材やガラスなど、様々な印刷媒体に印字が可能である。また、インクジェット用のインクも多様であり、水性、油性、溶剤系など用途や印刷媒体によって様々なものが開発され、最近ではUV硬化型インクなども登場している。
解説:
インクセーブとは、文字通り、インクをセーブ(削減)することを指す。単にインクの使用量を減らすということではなく、元の色味を保持しながら、インクの使用量を削減することを表している。この技術は、色分解を行う際にCMYの3色を中心として分解するか、Kを多く使用する分解を行うかによって、使用する総インク量が変動する点に着目したものである。なるべくグレー成分をKインキ単色で表すことにより、CMY中心の色再現と比較してCMYKのインク総量を減少させることができる。このとき、色味や品質がなるべく変わらないようにするため、カラーマネジメント技術も合わせて利用されている。
解説:
インクジェットヘッドのノズルから吐出されたインクの粒のことを指す。この粒が小さいほど、高精細な印字が可能となるが、インク滴が小さくなればなるほど、空気中や印刷媒体上での挙動制御が難しくなるといった課題がある。一般にピコリットル(pl)という単位を用いて表され、1plは1兆分の1リットルである。家庭用の低速のインクジェットプリンタでは、2pl程度までインク滴を小さくしたものも登場している。
解説:
デジタル印刷機やカラープリンタが単位時間あたり何枚(あるいは何ページ)の出力が可能であるかを表す指標のこと。通常、ppm(page per minute)という単位が用いられる。これは、A4片面ページが、1分間に何ページ出力されるかを表す単位でありそのページ数が多いほど、高速に印刷がなされるということとなる。A4の用紙をそのまま出力できないロール給紙のデジタル印刷機などでは、A4を面付けした状態で何枚出力できるかに置き換えられて表現される。
解説:
ページレイアウトソフトやワープロソフトなどにおいて文章を入力する際、段落の設定において行の先頭位置や行末の位置を設定する機能のこと。段落の中で、1行目のみ他の行よりも字下げを行なって入力する条件などを設定する。
解説:
印刷機内に設置され、自動的に濃度を測定することが可能な濃度計のことを指し、多くのデジタル印刷機に採用されている。印刷機のキャリブレーションを行う際に、測定チャートを出力してオペレータがマニュアルで濃度を測定するのではなく、印刷機内で、印刷を行いながら自動的に濃度を測定し、その測定値に応じて自動的に印刷条件などが設定される。実際に印刷する用紙にチャートを印刷して測定する機種と、用紙搬送用ベルトの上にカラーパッチを印字して測定する機種などがある。後者の場合は、実際の印刷ジョブを印刷しながら濃度調整が可能である。
解説:
英語では重さの意味であるが、印刷においてはフォント(書体)の文字の太さのことを指す。太い文字は重く見えることからこうした表現が用いられる。フォント名称の中にウェイト情報が含まれている場合もあり、同じフォント名でもW3(ウェイト3)やW5(ウェイト5)のような表現では、ウェイト数が大きいほど太い文字であることを表している。またフォントファミリーとして、ライト(L)、レギュラー(R)、ミディアム(M)、ボールド(B)、エクストラボールド(EB)などの情報が含まれる場合もある。
解説:
用紙に対してページを面付けする方法のひとつであり、表裏の印刷物を作成する際に、用紙の片面に表版と裏版を並べて面付けして印刷すること。例えばA3サイズの出力機を用いてA4両面のチラシを印刷する際、表面のデータと裏面のデータを片面に2面付けする。こうすることで、片面を印刷し、用紙を反転させて同じ刷版を用いて再度印刷することで表裏が完成することとなる。
解説:
内校とは内校正の略で、内部で行う校正作業のことを指す。印刷会社などで、顧客向けの校正印刷を行う前に、内部で確認するために印刷される校正刷りのこと。簡易的なカラープリンタなどを利用することもあるが、印刷物の色調や文字などを一通りチェックすることが行なわれる。
解説:
フィルムなどの透明な印刷媒体に印刷を行なう際、カラーインキのみでは光が透過してしまうために発色せず色が薄くなってしまう。そういった場合に、白インキを裏からかぶせることで、きれいな印刷物として仕上げることができる。このように裏から地色をかぶせることを裏打ちと呼ぶ。白インキを利用することが一般的であるが、黒など他の色を打つこともある。
解説:
印刷後に発生するトラブルの一つであり、印刷用紙を重ねておく際に、乾ききっていないインキが前後の用紙に転移してしまうことを指す。裏移りが起こると、用紙の反対面の印刷ができなくなる。デジタル印刷の中では、印刷後に乾燥・硬化した状態で出力される電子写真方式では起こりにくいが、インクジェット方式のように液体のインクを利用する方式では、乾燥不良により発生することもある。
解説:
裏面に印刷が行なわれていないページのことを指す。書籍では扉、目次、中扉などが裏白のページとして仕上げられる。またボール紙などで、表面は規定の色や質感に仕上げられているが、裏面は単に白紙の状態になっているものなども裏白と呼ばれ、用紙銘柄に入っている場合もある。
解説:
フィルムなど透明な印刷媒体に印刷を行なう際、フィルムの上にインキを刷り重ねていく(用紙への印刷と同じ)方法と、フィルムの裏面に印刷を行いフィルムを介して印刷物として見る方法とがある。前者を表刷り、後者を裏刷りと呼り、裏刷りの場合は、印刷データを逆像にして印刷を行なうこととなる。裏刷りを行なうことで、印刷面が表に出ないことから印刷面の磨耗や汚れなどを防ぐことができるほか、フィルムを介して印刷面を見ることから光沢のある印刷物に仕上がる。
解説:
印刷後、あるいは印刷中に発生するトラブルの一つであり、印刷インキの一部が用紙の裏に抜ける現象のこと。印刷を行なっていない面に地汚れが発生する。デジタル印刷では、液状の染料インクを利用する際に起こる可能性があり、インクジェット方式で稀に見られる。また、裏抜けの発生は用紙の特性にも大きく依存する。コート紙では発生しにくいが、非コート紙では繊維の中をインクが抜けることで裏抜けが発生しやすい。このため、裏抜けしやすい用紙を利用する場合には、印刷に用いるインキ量を減らすなどの処理が行なわれる。
解説:
電子写真方式の中で、液体(湿式)のトナーを現像剤として用いるものを呼ぶ。トナーを液体の状態で利用するため、その粒径を非常に小さくできることが特徴である。オフセット印刷と同等の出力品質が得られるものの、液体トナーの制御は非常に難しい。多くの企業が研究開発に取り組んだものの、現在市場で製品化がなされているのはヒューレット・パッカード(イスラエルindigo社の技術)とミヤコシの2社のみである。
解説:
エンベット(エンベッド)とは埋め込みの意味である。PDFファイルにフォントや文字情報を埋め込んだり、画像データにカラーマネジメント用のプロファイルを埋め込む際に利用される。PDFファイルにフォントを埋め込んでおくことで、そのフォントを保有しないコンピュータにおいても適切に表示や印刷を行なうことができる。また、画像データにカラーマネジメント用プロファイルを埋め込んでおくことで、その画像の色特性を規定したり、カラーマネジメントシステムを利用して出力色のコントロールを行なうことができる。
解説:
凹版印刷とは、表面に凹んだ部分を作り、ここにインキを満たして印刷する刷版を利用した印刷方式であり、グラビア印刷で利用される。グラビア印刷では、円筒ドラム型の刷版を利用し、画線部は刷版表面を物理的に彫ることで作成される。彫られた凹みにインキを詰めて非画線部のインキをドクターで掻きとった後、印刷媒体にインキが転写する。凹部の深さでインキ量を制御し印刷画像の階調を表現することから階調が豊かで品質の高い画像が印刷される。
解説:
オーバープリントとは、画像や平網の上に文字をのせる場合など下地となる画像を抜かずに刷り重ねる処理のこと。主に文字が墨1色の場合に利用される。色文字の場合には、下地の色が文字色に影響を及ぼすことがあり、こうした場合には下地を抜くことが必要となり、これはノックアウトと呼ばれる。
解説:
Microsoft Word、Excel、PowerPointなどオフィスやビジネスで利用されるアプリケーションを総称したもの。編集されたデータは、プリンタから出力することを目的としていることから、高精細な印刷機で印刷する際には様々な注意や付加的な処理が必要となることもある。例えば、画像、イラストなどで利用されるカラーはRGB形式が用いられるため、印刷時に色味が変わってしまうことなどである。
解説:
別名平版印刷とも呼ばれ、凹凸のない刷版を利用する印刷方式である。用紙を印刷媒体とする印刷方式の中で最も利用されている。刷版と印刷媒体との間に、ブランケットと呼ばれる中間転写体があることが特徴となっており、刷版に再現された画像は、一旦ブランケットと呼ばれる中間転写体に転写(オフ)した後で、用紙に対して転写(セット)することからオフセット印刷と呼ばれるようになった。オフセット印刷では、刷版上に物理的な凹凸を作らないため、解像度を上げやすく、コストや生産効率性の面でも優位性があり、現在の大半の紙の印刷物は平版によって印刷されている。事前にカットされた用紙(枚葉紙)に印刷する印刷機をオフセット枚葉印刷機、ロール紙に対して印刷する印刷機をオフセット輪転印刷機(オフ輪)と呼ぶ。
解説:
後加工の一つで、印刷された用紙を仕上り体裁に合わせて折りたたむ作業のこと。二つ折り、四つ折り、観音折りなど様々な形態がある。また、製本の際に、印刷された用紙をページが正しい順になるように折りたたむ作業のことも呼ぶ。
解説:
書籍などページ数の多い印刷物の場合、8ページ、16ページ、32ページなどの単位でページを面付けして印刷して重ねていく。この単位を折り単位と呼び、これをページが正しい順になるように折りたたんだ状態のことを折丁と呼ぶ。
解説:
オンデマンドとは、英語のOn Demandから派生した言葉である。Demandとは要求、要望のことであり、On Demandとは要求に応じてという意味となる。すなわち、必要な時に、必要な分だけを印刷するという意味で用いられる。刷版を利用する従来型の印刷方式では難しかったが、デジタル印刷機の登場により小ロットでの印刷が可能となり、新たな印刷の市場として位置づけられている。デジタル印刷、オンデマンド印刷ともに、明確な用語の規定はないが、フルデジタル処理でデータ入力から出力までを行なう印刷機のことをデジタル印刷機と呼び、その中で刷版を利用しないものをオンデマンド印刷機と呼ぶことが多い。
解説:
顧客の注文を受けてから、必要な部数だけを印刷して販売する出版の形態のことを指す。絶版本など市場に流通していない書籍の販売に利用された事例があるほか、個人出版など部数の少ない出版を行いたい場合などに、デジタル印刷技術を利用して小ロット印刷で対応することを表している。近年はフォトアルバムの需要が高まっており、出版ではないものの、出版物を作成する技術を用いた小ロットの個人向け印刷物として注目されている。
解説:
インターネットを代表とするオンライン環境を通じて、出版物の内容をデジタルデータで提供し、コンピュータや各種ポータブル端末でオンラインで閲覧させる出版のことを指す。電子出版と同義で用いられる。出版物をデジタルデータとして提供し閲覧させることから、著作権の問題などが指摘され、様々な規格が議論されている。デジタルデータとして提供される出版物のことを電子ブックとも呼ぶ。文字情報だけでなく、音声や映像といったマルチメディア情報を埋め込めることも大きな特徴の1つである。
解説:
印刷用原稿となるデジタルデータを印刷会社に入稿する際に、インターネットなどのオンライン回線を利用して行なうことを総称したもの。電子メールにデータを添付する方法や、FTPサーバなどを通じてアップロードさせる方法から始まったが、近年では受注処理や支払い処理までをオンラインで行なうWeb-to-Printシステムなどの利用も広がっている。
FAQ engine from DiamondSteel