コラム No.3【2012.5.1】
主催者目線でdrupa2012を見てみる
drupaの楽しみ方の一つに、テーマ指向型の出展がある。各社の出展ブースは、印刷機関連、デジタル技術、後加工、紙加工、プリプレスなどホールごとにある程度分類されているものの、特にテーマを絞って展示が行われるものではない。一方で、ホール7で行われるDIP(drupa innovation park)およびdrupa cubeは、主催者側の視点でテーマが設定されている。drupaがこの先の印刷市場を占う場であるならば、このテーマ指向型の出展にどういったテーマが設定されているか、出展内容はどういったものであるかを見ることは非常に重要であろう。
drupa2012におけるDIPのテーマを見てみよう。全部で9つのテーマが設定され、各々のテーマに沿って各社が出展を行うこととなる。、
●Print Automation Park:印刷工程の自動化
●Asset Management Park:画像データなどの資源の管理と利用
●Dynamic Publishing Park:動的な印刷データの生成
●Print meets Mobile Park:印刷とモバイル(携帯端末)の協業
●Digital Imaging Park:デジタルイメージング
●Marketing Solutions Park:マーケティングソリューション
●Print Product innovation Park:印刷業務の進化
●Printed Electronics/Functional Printing Park:プリンテッドエレクトロニクス/機能性印刷
●Green Printing Park:環境対応
皆さんが興味のあるテーマなどはあったであろうか。日本語訳はこちらで勝手に行っているため、若干ニュアンスのことなる部分もあるとは思うが、デジタル、モバイル、プリンテッドエレクトロニクスなど今後市場に対してインパクトのあるテーマや、環境対応、機能性印刷など付加価値を高めるための施策に近いテーマが並んでいる。
一方、drupa cubeは、会期中の1日1トピックでディスカッションを行う場であり、あらかじめテーマが決められている。こちらも見てみよう。
5月3日:Print – Web – Mobile:印刷-Webーモバイル
5月4日:Day of Packaging:パッケージング印刷
5月5日:Creative Weekend 1:クリエイティブ
5月6日:Creative Weekend 2
5月7日:Day of Magazines:雑誌印刷
5月8日:Day of Books:書籍印刷
5月9日:Day of Corporate Communication:コミュニケーション施策
5月10日:Day of Dialogue Marketing:マーケティング施策
5月11日:Day of Media Production:メディア提供
5月12日:Future of Print 1:印刷の未来
5月13日:Future of Print 2
5月14日:Out of Home
5月15日:Day of Newspapers:新聞印刷
DIPがテーマごとのソリューション展示に近い形であるのに対し、drupa cubeは、印刷ビジネスそのもの、特に商材に特化したトピックが多くなっていることがわかる。最も機になるのは「Future of Print」であるが、パッケージ、雑誌、書籍、新聞、各種メディアの提供など、どんな話題が出るのがとても楽しみである。毎日いないといけないことが難点なのだが。