Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード)

Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード)はdrupa2012のホール4において、B2サイズに対応したHP Indigoデジタル印刷機、EPM(Enhanced Production Mode)搭載により、従来モデルと比較して印刷速度を33%高速化すると共に機能拡張を行ったHP Indigoデジタル印刷機、新開発のインクとプリントヘッドテクノロジーを採用することで、より生産性を高めたHP Color Inkjet Web Press、HP Scitexワイドフォーマットソリューション、およびHP高速インプリンティングソリューションなどを出展する。4952平方メートルのHP出展ブースは、drupa2012の中で最大のデジタル印刷機出展企業であり、全出展企業の中でハイデルベルグに続き、2番目に大きなブースを誇る。

■HP Indigo Digital Pressシリーズ

HP Indigo 10000 Digital Press(B2モデル):

枚葉方式のデジタル印刷機であり、750mm×530mmまでの用紙にフルカラーで印刷することができる、商業印刷市場向けB2サイズのデジタル印刷機である。4色印刷で毎時3450シートの出力が可能となっている。A4(4面付)ではで毎時13800ページの出力となり230ppmに相当する。本機はシングルドラム機構を採用により印刷色数により出力速度が変化し、1色印刷では毎時6900シートを出力することができる。自動両面印刷機構も内蔵しており、B2サイズの用紙を印刷機内で反転させ表裏を印刷する。さらに、EPM(Enhanced Productivity Mode)を利用することで、4色印刷での出力速度を毎時4600シートまで高速化することができる。出力解像度は812もしくは2438dpiとなっている。
印刷機構は従来のHP Indigoデジタル印刷機の印刷技術を完全に踏襲する。半導体レーザーによりPIP(感光体)上にイメージングを行い、液体トナーを現像した後、ブランケットを介して印刷媒体に転写する機構である。PIP、ブランケットといった消耗品は、そのサイズが大きくなることから自動交換機構を内蔵し、マシンのダウンタイムの削減、オペレータの負荷を軽減させることができる。また、6色、7色印刷といった多色印刷が可能な点も同様であり、特色インキ作成用のInk Mixing Systemも準備される。品質管理のためICCベースのカラーマネジメント、Vision Systemと呼ばれる検査装置などを搭載する。機械本体サイズは、幅約8m、奥行き約4.7m、高さ約2.4mであり、重量は約11tとなっている。

HP Indigo 20000 Digital Press(B2モデル):

本機は、同様の印刷機構を利用しながら、フレキシブルパッケージ(軟包装材)の印刷を可能とした輪転方式のデジタル印刷機である。最大メディア幅30インチ(762mm)のポリエチレン、PET、PVCなどのロール素材にフルカラーで印刷することができる。透明素材用に白インキを準備、さらに6色、7色印刷までを、特色を含めて印刷することが可能である。ワンショットカラーシステムと呼ばれる、一旦ブランケット上に全てのインクを重ね、印刷媒体には一度で転写する機構を採用しているため、熱に弱い素材であっても印刷が可能となっている。最大29インチ(736mm)×44インチ(1117mm)のイメージをスイッチバックしながら印刷し、搬送速度は4色印刷で毎分34m、EPMにより毎分44.8mまで高速化が可能となっている。
印刷エンジンの給紙側にはプライミングモジュールを備える。様々な印刷媒体に対応するため、コロナ処理、アンカー処理ならびに乾燥装置を搭載している。印刷機本体のサイズは幅約9.7m、奥行き約4.7m、高さ約2.4mであり、総重量は約15tとなる。

HP Indigo 30000 Digital Press(B2モデル):

本機は、同様の印刷機構を利用した紙器パッケージ用の枚葉片面デジタル印刷機である。印刷機構、速度などのスペック面はHP Indigo 10000 Digital Pressと同様であるが、給紙側にプライミングユニットが接続され、片面専用印刷仕様となっている点が異なる。対応可能な印刷媒体としては、C1S、C2Sを含む紙器パッケージ用ボール紙、Synthetics素材などである。

HP Indigo 5600 Digital Press:

従来の5500モデルの後継機種となる同機は、EPMにより毎分90ページの印刷が可能となっている。さらに合成紙印刷のためワンショット印刷モード(ブランケット上の全てのインキを重ねた後に印刷媒体に1回で転写する方式)を採用し、テスリン紙、PVC(ポリビニルクロライド)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネート)およびその他の合成紙に特殊用途の印刷物を作成できる。また紫外線を当てると発光するインビジブルインキを搭載することで高付加価値アプリケーションにも対応する。

HP Indigo 7600 Digital Press:

従来の7500モデルの後継機種となる同機は、EPMにより毎分160ページの印刷が可能な業界最速の枚葉両面デジタル印刷機である。新たにリアルタイムの損紙自動検出機能、隆起印刷やエンボス加工などの高付加価値印刷を可能とする特殊な機能をオンプレスで搭載する。さらに、モノクロ写真の画質向上のため、オプションでライトブラックインキを搭載でき、より高品質なグレースケール印刷を実現する。

HP Indigo W7250 Digital Press:

従来のW7200モデルの後継機となる同機は、EPMにより毎分320ページのフルカラー印刷(2台のプリントエンジン合計)、また毎分960ページのモノクロ印刷を実現する大量印刷向けのロール機である。月間最大1000万ページのフルカラー印刷に対応できる耐久性に加え、今回新たに2台のプリントエンジン間のカラーマネジメント機能を搭載し、大量印刷で要求される高い品質と生産性の双方を提供する。

■HP Inkjet Color Web Pressシリーズ

HP T230 Color Inkjet Web Press:

従来のT200の標準画像モードと同じ高い品質で、カラー・モノクロともに最大毎分122メートルと、従来の2倍の高速印刷を実現する。

HP T360 Color Inkjet Web PressおよびHP T410 Color Inkjet Web Press:

モノクロで最大毎分244メートルの印刷を実現する従来機の後継機。これは従来モデルから25%の高速化となっている。なお、カラー印刷については、毎分183メートルと従来と同様の印刷スピードとなっている。

■HP Inkjet Imprinting System

カラーおよびモノクロの印刷に対応するHP Print Module Solutionは、最大毎分244メートルの高速印刷が可能な、モジュールベースのシステムで、プレプリントドキュメントへのカラー画像、グラフィックス、およびバリアブル(可変)データの追い刷りを可能とする。既存のシステムと統合することで、完全なワークフローソリューションを実現する。ダイレクトメールやクレジットカードの請求書のような明細書にカスタムまたはバリアブルコンテンツをインプリントすることにより、マーケティングキャンペーンの効果をあげることができる。また、新規のステッチング機能により印刷領域が拡大し、柔軟性とスケーラビリティが向上している。

■HP Scitexシリーズ

ワイドフォーマットソリューションとなるHP Scitexシリーズでは、ホワイトインク(FB225 White Scitex Ink)の追加に伴い、HP Scitex FB7500およびFB7600にホワイトインク用オプションキットをリリースする。これにより、ウィンドウフィルムなど大サイズの透明素材への印刷が可能となる。

■HP SmartStream

新たなワークフローソリューションとして、制作プロセス全体を通して大規模なジョブボリュームを管理するHP SmartStream Production CenterとHP SmartStream Pro DLE、およびHP SmartStream Directorの最新版が提供される。
またHPは、Hiflex社買収により、MISおよびWeb-to-Printヲリューションなどを含む、HP Hiflexクラウドベースソフトウェアソリューションの提供を開始する。本製品は、一般商業印刷、サイン・ディスプレイ、出版、およびダイレクトメールなど、幅広いアプリケーションに対応する。

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