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VMIコラム

 

梅雨は何処へ?この原稿を書いている6月中旬、梅雨生まれの私も「昔の梅雨」を思い出せない。こんなに冷房に頼る季節の生まれだったか。この原稿が読まれる頃はどれだけ“夏”なのだろうか。

 

さて、「昔の梅雨」どころか「昨年の梅雨」も思い出せない私までいかずとも、「昨年の梅雨の時期に失注したお客様」を覚えている営業パーソン、リスト化している企業さんはそう多くはないのではないだろうか。弊社がご支援させていただいているお客様でも、「獲得」したお客様はケアしていても、「失注」または問合せや相談はあったが商談化せずにそのままになった「未商談顧客」は“ほったらかし”にしてしまっていた印刷会社さんがほとんどだ。今回はここに着目してみたい。
例えば、Web。複数のサイトを運用し新規顧客を獲得している企業も多いだろう。ここ数年AIの影響が懸念されてきたが、いよいよ「検索広告」や「SEO」にも大きく影響しているようだ。広告や自然検索からの流入が減ってきた企業も多いと聞く。少しづつ売上も落ちていく。そんな状況になると、日頃から熱心に取り組んでいる企業ほど、「サイトに魅力が足りないのではないか?」
「競合サイトと比較し、●●が劣っているのではないか?」と、新規顧客に魅力を伝えることに躍起になり、「お得なキャンペーンはじめました」「●●可能になりました!」とひたすらに“前のめり”になる。ところが、なかなか結果につながらない。どの企業でも経験があるのではないだろうか。もちろん新規のお客様へのアピールは重要だ。自社をわかってもらわないとはじまらない。
ただ、もし「なかなか成果につながらない」「おかしいな。いつもならこれで数字も戻るのに」となったら、“前のめり”になりすぎているかもしれない。そんな時はちょっと立ち止まってこれからお話する2つの視点を導入してみてほしい。
その2つの視点は「新規」でも「魅力」でもなく、むしろ真逆であり、「前のめり」でなく「後ろを振り返る」のようなものだ。

 

ひとつは「抵抗」。「魅力」とは真逆の視点。

 

「自社の魅力をお客様に伝える」という「自社→お客様」の思考でなく、「お客様が自社サービスを採用する際に感じる抵抗」、「お客様→自社」の思考で、「足りない魅力」でなく「立ちはだかる抵抗」を考えるのだ。その「抵抗」は本当にささいなことかもしれないし、お客様にとっては当然なことかもしれない。それが“前のめり”すぎる状態に陥ると見えなくなる。見落とすのだ。
以前、本連載でも紹介したがこんな事例があった。
サイト上で色や形サイズ、生地などを選べてオーダーメイドのソファをつくるサービスがあった。
画期的で、顧客は大いにそのサービスに注目し、想い想いのお気に入りのソファをつくった。価格も安い。納期も問題ない。実際に触らなくても、顧客はネット購入になれている。なのに、なのにだ。顧客は「買う」一歩手前でサイトから離れ、「購入ボタン」を押すに至らない。どんな魅力を足しても、そのボタンは押されなかった。
実はその一番の原因が「今あるこのソファは引き取ってくれるのか」という、“当たり前”の不安、購入に至る「抵抗」が存在したという事例だ。

 

みなさんは「→(矢印)」を一方的にお客様に向けてないだろうか。ぜひ一度、逆に向けてみることをおススメする。“ささいな”“当たり前”の抵抗に気づかなくなっていることはないだろうか。
ふたつめは、「離脱」「失注」だ。前述した「問合せがあったが商談に至らなかったお客様(未商談客)」や「見積提出したが受注できなかったお客様(未受注客)」、売り手言葉でいうと「離脱客」「失注客」と言われるお客様。
あるデータでは、こうしたお客様のうち65%は再び興味をもつ、購入を検討する可能性があるという。もしかすると、こうしたお客様心理に「以前タイミングが合わずお断りしてしまったから再度問合せるのはちょっと気まずいな」という思いがあるかもしれない。それはもったいないことだ。

 

しかもこの“離脱組”となり放置されたお客様は、いわば「獲得コストがかからないお客様」である。テレアポする人件費も、ネット広告費もかからない、一度は興味をもってくれて勇気をもって自社に姿を現してくれた貴重なお客様なのだ。
ぜひ今一度、この「離脱」からの「復活」に注力してみてはいかがだろうか。こんなに貴重なお客様だったのか、とメンバーが再認識するかもしれない。近年、採用においても、一度退職した社員を再び雇用する「アルムナイ採用」が一般化しつつある。人材と同じく自社情報がリーチできる新規顧客は減っているし、獲得コストは非常に高くなっている。“前のめり”になりすぎず、たまには「真逆」の視点を導入してみると、不思議とお客様が魅力を感じ取ってくれるかもしれない。