原稿を書いているのは2月中旬。今年も1月から様々な「予測」情報が飛び交った。毎年のことながら「予測不可能」なことを知りながら予測したがるし聞きたがる。私もそのひとりだ。2024年は特に予測不可能なことが多かった。あの日経新聞でさえ2024年を“緩やかに円高が進む 上値120円台前半か”などと予測していた。蓋を開けてみると夏には160円を超え、一時落ち着いたものの年末には再度円安が加速した。あくまで予測だから誰も責められない。それが予測なのだ。ならば「確定未来」をしっかり抑えて行動しておこう。ということで前回は2025年前半の「確定未来(ここでは季節や恒例行事、その年特有のイベント等、既に決定している未来のことを指す)を示すとともに、自社の販促活動にどう生かすかの実行手順をお伝えした。以外にも好評の声をいただいたので調子にのって後半のトピックも書いてみたいと思う。参考になれば幸いである。
★7月
令和7年7月7日は「777」。だからどうしたと言われそうだが、企業販促はこういうわかりやすいのが好きだ。メディアも「ラッキーな日」のような取り上げ方をするだろうし間違いなくSNS投稿イベントは活発化するだろう。
・先着77名様 ・777円均一 ・777抽選
そんな感じだ。読者のみなさんも関連する業界があれば一足先に提案してほしい。過去の「ゾロ目の日」の発注履歴をチェック、ネットで調べて動いた業界を調べるなどしても良し。自社サービスにおいても販促企画してみたい。
というのも、今後も「ゾロ目販促」は続くからだ。
令和8年8月8日(土)、令和9年9月9日(木)、令和10年10月10日(火)、令和11年11月11日と、4年連続で出現するのだ。
また7月28日が参議院議員の任期満了日。6月下旬から参議院議員選挙、東京都議会選挙も7月中には行われる可能性もある。選挙グッズ、選挙ポスターはもちろん、関連印刷物のアプローチもしっかり準備しておきたい。
★8月・9月
恒例でいえばやはりサマーセール。POP、DM、キャンペーンサイト連動販促は定番だ。またお盆休みのお土産パッケージ需要や飲食店の夏メニュー製作ニーズ、そして子供ターゲットのビジネスは確実に集客に動く。イベントでは夏のコミックマーケットが8月16日~17日、東京ゲームショーは9月25日~28日。グッズや同人誌を得意とする印刷サービスはもちろん、エンタメを事業ドメインにもつ企業販促は狙い目となる。
また今年、ふるさと納税の仲介サイトにおけるポイント付与禁止となるのが10月1日。駆け込み需要がおきることが予測できる。注目はamazonがふるさと納税事業へ参入すること。昨年配送拠点や宅配ロッカーに投資したのもふるさと納税本格参入への準備だろう。大々的なキャンペーン、メディア露出を予測し、それに影響をうける業界、企業への提案は機会損失なきよう準備したい。
★10月・11月
なんといっても“ハロウィン”。今年は31日のハロウィン後、11月1日(土)、2日(日)、3日(祝日)と三連休であることも見逃せない。
チョコ、クッキーなど食品はもちろん、ホームパーティー開催家庭が増加していることから、装飾品、酒類、総菜販売のスーパーも狙い目か。
ブラックフライデーは、昨年同様大きな企画をうってくる流通やECサイトにも注目しておきたい。
★12月・2026年1月~3月
年末年始が2年連続の大型連休となることを考えると、旅行・観光業は今年も積極的に販促をうってくるだろう。ボーナスのアップ率も昨年同等になると予測されるが、年末年始のために買い控える可能性もある。サイトからの問合せ獲得を狙う印刷会社さんはクリスマスやお歳暮などの恒例需要獲得にターゲティング広告等を取り入れる等工夫し早めに動き出すことをおススメしたい。
そして2026年。2月には冬季オリンピック開催。スポーツ用品やスポーツバー等は予算を増加して販促するだろう。また前回もふれたが大きなイベントに成長したネコの日(2月22日)、コンビニ、食品が新商品をこぞってリリースすることも予測できる。3月5日からは第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催。参加選手にも左右されるが日本人メジャーリーガーが参加することになれば大きく需要は伸びる。
ということで書ききれない後半、本連載をきっかけに、ぜひチームでアイデア会議をやってみてほしい。全ての月とはいかなくとも自社商材に関係が深い時期だけでも実践してはいかがだろうか。