富士フイルムは、2025年12月19日に発売を開始したRevoria Press PC2120のお披露目イベントを、全国6か所(東京・大阪・仙台・広島・博多・名古屋)にて開催した。1月16日、東京会場であるBridge for Innovation TOYOSU(豊洲)のイベントに行ってみた。
Revoria Press PC2120
Revoria Press PC2120は、PC1120の後継機にあたり、富士フイルムのデジタル印刷機におけるフラッグシップモデルとなっている。乾式トナーを採用し、オフセット印刷を超える高品質な出力と、毎分120ページのA4を出力する高生産性を特徴とし、ワンパス6色の印刷機構を備えることで多彩な表現と印刷アプリケーションに対応することができる。
新型プリンターという発表ではあるものの、旧モデルであるPC1120から、印刷機構や性能面では大きな変更はなく、概観もほとんど変わってはいない。唯一の性能面での変更としては、用紙搬送を最適化することで、A3サイズの出力速度が毎分60枚から63枚へと5%程度向上したという点である。逆に言えば、印刷技術に関しては大きく改良をする必要がないほど完成されているということになるのかもしれない。

今回のバージョンアップでは、主に自動化・効率化に焦点が当てられている。オペレータの作業負荷を低減し、品質を維持しながら生産効率や可用性を高めるいくつかの機能が追加されている。
新しく搭載されたのが、「用紙プロファイラー」であり、利用する用紙を挟み込み、厚さ、白色度、種類、表面光沢などを測定することで、印刷に最適の条件をAIが設定するというものである。印刷時の転写圧や定着温度など、5項目のパラメータが自動的に最適化されるため、そのまま印刷を開始することもできるが、すでにコントローラ内に格納されている用紙リストの中から近いものを候補として提示されるため、用紙銘柄などが分かっている場合には格納済みの条件を利用することも可能となっている。
もう一つ、ハード面では「スマートモニタリングゲート」が改良されている。リアルタイムに印刷中の品質を検査するほか、トンボ位置を合わせるよう、イメージングの位置が自動調整されて印刷が行われる。

また、6色印刷機構で利用可能なトナーにグリーンが追加され、印刷色域が拡大された。すでに利用されているピンクトナーを含めて印刷を行うことで、高色域印刷を実現する。サンプルとして、同人市場をターゲットとしたイラスト系のサンプルが展示された。
一般印刷においても、従来のようにオフセット印刷のCMYKをターゲットとするのではなく、編集データはオリジナルのRGB空間でデザイン・制作を行い、出力機の色域を最大限活用するRGB印刷も実用化を迎えており、デジタル印刷機がもつ表現を活かした印刷再現にも効果的に利用することが可能となっている。

周辺サービスやパートナー展示
富士フイルムに限らず、最近のプリンタメーカーのプライベートイベントでは、パートナー企業の展示を合わせて行うことで、出力システムだけでなく、出力の前後を含めたトータル的なモノづくりや、印刷ビジネス面での提案が行われることが多い。個人的に今回のイベントで興味をもった展示をいくつかご紹介させていただきたい。
新星コーポレィションは、Color Logic社のメタリックカラーシステムを展示した。IllustratorのPlug-inであり、Revoria Pressのメタリックトナーを利用したデザインを制作しながら、その光沢感や質感をプレビューにより確認することができる。またメタリックカラー用のカラーパレットも提供され、必要とされる色調(光沢)をパレットから指定することが可能である。

また、富士フイルムビジネスイノベーションのサービスとして提供されている、AIエージェントを利用した営業・販促系のサポートシステムや、デジタル印刷機で利用可能な印刷資材のインターネット通販サービスも興味深い展示であった。いずれも効率化や、新商品開発など、印刷ビジネスを考えていく上で重要なソリューションになっていくものと思われる。
