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drupa2024備忘メモ

drupaの期間中、5月28日から6月7日まで、日時で情報誌としてのdrupadailyが発行された。
印刷市場におけるグローバルメディアカンパニーであるWhattheythinkが編集を行っているものである。各出展企業へのインタビュー、出展された新技術、新機種が取材され、英語とドイツの併記で制作されている。私の手元にも、会場から持ち帰った9日分があるが、以下サイトにて、全てのコンテンツをオンラインで読むことができるので、drupaでどういった内容に注目が集まったのか、ご興味のある方はお読みいただくことをお勧めする。
https://whattheythink.com/topic/drupadaily

毎日64000部が発行されたdrupadaily

  

今日は、このdrupadaily誌についてお話ししたい。
発行部数は毎日64000部前後とのことであり、毎朝、会場にある配布スタンドに置かれ、来場者が自由に手に取ることができるようになっている。この配布スタンドはKongsbergの大型カッティングプロッタを利用して作成されているとのことである。会期中に全11誌発行されているので、単純計算で約70万部が発行されていることになる。
印刷に関しては、オフセット印刷とデジタル印刷のハイブリッドで制作されている。
表紙(表1~表4)には、会場で取材したリアルタイム性の高い情報が掲載されることから、HPブースでIndigo Digital Pressを利用して毎日会場で印刷される。B2枚葉デジタル印刷機で2面付されることから、毎日32000シートが出力されていることになる。
本文はドイツの出版系印刷会社である、Schaffrath MedienDruck社にて印刷され、HP Indigoで印刷された表紙と合わせて、同社で中綴じ製本されて完成となる。本文は48ページというボリュームを持つため、drupa前半で配布されるdrupadailyでは、会期前に取材された内容を中心とした刷り置き分が利用されている。一方、後半になるにつれて、会期中に編集されて印刷されたページが増えていくことで、本文にも会場の写真などが多く挿入されるようになる様子は見ていて面白い。

  

利用されている用紙についても、コート紙、マット紙など様々な用紙が使われており、並べて見るとその質感の違いも感じられて面白い。
表紙はデジタル印刷、本文はオフセット印刷が利用されているが、ページをめくっても違和感は全くなく、すでにデジタル印刷技術の商業利用においては、品質についても問題はない。
また、表紙に関しては、同じ日のdrupadailyでも、上部に帯として印刷されているイメージが1冊ごとに異なるカラーとなっていることがわかる。これは、HPの独自技術である、ランダムにイメージとカラーを変更するツールであるHP Mozaicが利用されているものと思われる。このあたりは、デジタル印刷機を利用していることを上手に訴求しているのではないかと思うが、会場でそれに気付いている方は少なかったことが少し残念であった。

同一日に発行されたdrupadailyはコンテンツは同じであるが表紙上部のイメージが異なる