「POD最新市場動向メルマガ」第13号バックナンバーのご紹介!
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2012年3月26日発行 【第13号】
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◆ POD最新市場動向メルマガ
◆ ~ニュースの裏にある本質を読み解く~
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━━━━━━━━━━━━━━━━ https://www.value-machine.jp/ ━━━
こんにちは。バリューマシーンの宮本です。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今号からdrupa2012特集を行っていきたいと思います。
3月に入り、本格的にdrupaのニュースが増えてきたことから、これまで情報収
集を進めてきました。最初は、デジタル印刷の時代はインクジェットに移り変
わり、インクジェットに加えてオンラインメディアを利用したツールなどが出展
されるものだと安易に考えていましたが、さすがにdrupaは面白いですね。
様々な新システムが出展されることが分かってきました。a
というわけで、今号は電子写真方式のデジタル印刷機に焦点を当ててみたい
と思います。時代はインクジェットかと思いきや・・・今回のタイトルは
「drupa2012における電子写真方式の巻き返しを見る」としてみました。今回の
drupaは新たな流れのきっかけになるかもしれませんよ。
なお、メルマガ記載の内容は海外発表をベースとして記載いたしますので、国
内向けの内容とは異なることがあり、また実際の出展内容と一致しない可能性
がありますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
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【お知らせ】 drupa2012ツアーのご案内
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バリューマシーン企画のdrupaツアーのご案内を開始いたしました。数多くの
問合せ、またお申し込みもいただきありがとうございます。
まだまだお申し込みは間に合いますので、drupaに行ってみようかとお考えの
方は是非ご一考ください。パンフレット、申込書を弊社サイトに掲載いたしてお
ります→ https://www.value-machine.jp
内容、価格について、どこのツアーにも負けない自信がありますので、是非
ご覧いただき、ご検討くださいませ。
それでは本編に参りましょう。
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【第13回】 drupa2012における電子写真方式の巻き返しを見る
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Inkjet drupaと呼ばれたdrupa2008から4年が経過しました。デジタル印刷機と言
えば、1993年のIPEXにて、イスラエルのIndigo(現ヒューレット・パッカード)、
ベルギーのXEIKON(現パンチグラフィックス)の2社により始めて発表された
ものです。
当時は両社とも電子写真方式が採用されていました。
その後、インクジェット方式がその技術の進展により、品質、速度、サイズなど
を大幅に向上させてきました。非接触印字という特徴により、サイン・ディスプレ
イ市場、シールラベル印刷市場、フォーム印刷市場、商業印刷市場と、様々な
市場にデジタル印刷技術として参入しています。一部には、デジタル印刷技術の
主流は電子写真方式からインクジェット方式へと移り始めたとの意見もあるほど
です。
このように、劣勢と言われる電子写真方式ですが、drupa2012ではヒューレット・
パッカード(以下HP)やパンチグラフィックス(以下XEIKON)など、老舗のデジタル
印刷機メーカーが電子写真方式の新型機、新技術を発表する予定です。新たな
流れのきっかけになるかもしれない出展内容を見てみましょう。
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「HPは液体電子写真方式のIndigo技術をB2サイズに大型化」
液体トナーを利用した電子写真方式を採用し、オフセット印刷と同等の品質を提
供するHP Indigoシリーズのデジタル印刷機は、これまでのA3寸伸びサイズから、
一気にB2サイズまで大型化が進められ、大幅にその生産性を向上させるととも
に、商業印刷市場でより一層影響力を高めることになりそうです。
今回出展されるHP Indigo 10000 Digital Pressは、750mm×530mmのB2サイズの
用紙を4色印刷で毎時3450枚出力する新型のデジタル印刷機です。Indigo技術
をそのまま大型化することで、現在のHP Indigo Pressと品質は同等、最大7色ま
での印刷や自動両面印刷が可能となっています。
また新技術としてEPM(Enhanced Production Mode)を搭載し、フルカラー出力で
の生産性を33%向上させることができます。これは、通常でCMYKの4色で印刷
を行うところを、CMYの3色で印刷するものです。HP Indigoのデジタル印刷機は
同一ドラムを色数分回転させて色を重ねていく方式となっていますので、色数が
少なくなればそれだけ単位時間に出力する用紙の枚数は多くなります。
ちなみにHP Indigo 10000では、通常モードでは毎時3450枚(230ppm)ですが、
EPMを使用すると、毎時4600枚(306ppm)のB2用紙を出力することができます。
CMYの3色で印刷するため異なる分解カーブを利用しますが、当然4色で印刷す
る場合と比較して品質は落ちることになるでしょう。HPによれば、印刷物の30%
程度は、3色印刷でも十分に品質として耐えられるものだということです。
また、兄弟機種としてHP Indigo 20000 Digital Press、HP Indigo 30000 Digital
Press
も参考として発表されています。HP Indigo 20000は輪転モデルであり、シールラ
ベル・軟包装材パッケージ向け、HP Indigo 30000は枚葉モデルですが、ボール紙
への印刷を行う紙器パッケージ向けの機種となります。印刷エンジンはHP Indigo
10000と同じメカニズムとなっています。
参考までに他社のB2判枚葉デジタル印刷機とその生産性を単純に比較してみ
ましょう。HP Indigo 10000 Digital Pressは、富士フイルムのJet Press 720(毎時
2700枚出力)と比較して約1.27倍、大日本スクリーン製造のTruepress Jet SX(毎
時1800枚出力)と比較して約1.9倍の生産性を持っています。
B2判のデジタル印刷機への参入はインクジェット技術が一歩先んじていましたが、
今回のdrupaで完全に追いついた感はありますね。HP Indigo 10000 Digital Press
は今秋よりベータテスト、2013年初頭より発売開始される予定です。現時点での
発表では、機械本体価格は$1.5M(現在の為替レートで約1億3000万円)とされて
おり、この分野で市場がどのような評価を下すのかが注目されます。
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「XEIKONは新モデルで電子写真方式のランニングコストを大幅に削減」
XEIKONは1993年からこれまで、輪転方式の電子写真技術を利用したデジタル
印刷機であるXeikonシリーズを展開してきました。drupa2012では、同社の新型
デジタル印刷シリーズであるXeikon8000シリーズと、紙器パッケージ向けの新モ
デルとなるFolding Carton Suiteを出展する予定です。
Xeikon8000シリーズは1200dpiのLEDによるイメージングを行い、最大幅500mm
の輪転用紙への印刷を行います。Xeikon8500は160ppm、Xeikon8600は190ppm、
最高速モデルのXeikon8800は260ppmの生産性を持っています。それぞれ、現行
モデルであるXeikon5000、6000、8000からのフィールドアップグレードを行うこと
が可能です。
新型のXeikon8000シリーズは、消耗品の長寿命化により最大20%程度のランニ
ングコストの低減が図られているほか、新機能としてTOM(Toner Optimization
Mode)
が搭載されます。TOMとは、複数のトーンカーブをジョブごとに適用することができ、
消費するトナー量を最大50%削減することができるという技術です。デジタル印刷
向けの小ロット印刷アプリケーションの中でも、その要求品質は様々であり、業務
に合わせてコスト調整を行うことが可能となります。
一般にインクジェット方式と電子写真方式では、そのランニングコストを比較する
とインクジェット方式が安価であると試算されています。XEIKONではTOMを利用す
ることで、電子写真方式のランニングコストを低減し、インクジェット方式との競争
力を高めていくとのことです。
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「コダックの新モデルはGOLD・蛍光・パールトナーとインラインUVユニット搭載」
コダックは同社の最新のデジタル印刷プラットフォームであるNexPress SXシリー
ズを出展します。最上位機種であるNexPress SX3900はシリーズ最高速の出力速
度に加え、様々な付加価値、機能性印刷ソリューションを提供します。
同機はタンデム型の5色印刷システムを採用しており、プロセスカラー4色に加え、
機能性トナーなどを利用することが可能となっています。これまで第5イメージング
ユニットでは、色再現範囲の拡大を目的としたRGBトナー、あるいは透明トナーが
利用されてきました。特に透明トナーは、印刷面の保護、光沢効果に加え、
Dimensional Solutionと呼ばれる盛り上げ印刷効果をもたらしてきました。
drupa2012では、第5イメージングユニットで利用可能な新たな機能性トナーが提
案されます。新たなトナーとして展示されるのは、ゴールドトナー、蛍光ピンク、
パールトナー、MICR(磁気)トナーです。MICRは連帳系のモノクロ機での採用が
ありますが、メタリック効果をもたらすゴールドトナーや、蛍光特性をもたらすトナー
については、乾式トナーでの実用例はほとんどなく、新たな機能性付加、付加価
値向上の一助となることが期待されています。
印刷機本体の機能としては、ロングシートオプションとして、660mm長の用紙へ
の印刷を可能としています。A4サイズが3面付可能となり、片観音印刷(6ページ
カタログ)など、これまでデジタル印刷機では対応できなかった体裁のアプリケー
ションを実現できるようになります。また、TEC LIGHTING TRUCOAT UV Coaterを
利用して、インラインUVコーターが出展されます。片面コーティングもしくは両面
コーティングのいずれかを選択することが可能となっているという。
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drupa2012の出展情報として、電子写真方式の進化についてお伝えしましたが、
いかがでしたでしょうか。特にハイエンド、大型のデジタル印刷機については電
子写真技術の巻き返しが見られるかもしれませんね。
もちろんインクジェット方式の新機種も数多く発表されていますので、こちらは
次回のメルマガでお届けしたいと思います。
それではまた次号にて。
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【編集後記】
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第13号いかがでしたでしょうか。
しばらくdrupa特集のような内容になってしまうかと思いますが、ご興味のある方
是非お読みいただければと思います。
また、弊社Webサイトにdrupa2012特設ページを開設しようかと考えております。
今回ご紹介した機種を含め、各社の新機種、初出展機種などを一覧にして
ご覧いただけるようにするほか、現地からの「かわら版レポート」もそちらで
お読みいただけるようにしたいと思います。
ページが開設されましたら、またメルマガでご報告させていただきますので、
ご期待ください。
それではまた次回。
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発行元:株式会社バリューマシーンインターナショナル
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発行責任者&発行人: 河島 弘司
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