「POD最新市場動向メルマガ」第7号バックナンバーのご紹介!

2011-11-01

10月25日(火)発行の第7号のバックナンバーのご紹介。

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2011年10月25日発行 【第7号】
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◆ POD最新市場動向メルマガ
◆ ~ニュースの裏にある本質を読み解く~ 毎週火曜日発行

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皆様こんにちは。バリューマシーンの宮本です。
いかがお過ごしでしょうか。

印刷業界はいま、混乱の中にあります。
9月末に海外ではコダックの噂とも憶測とも取れるニュースが流れ、ヒヤリと
した方もいらっしゃるのではないでしょうか。真相はまだ明らかになってはいま
せんが、ともかくソフトランディングしてくれることを願います。

一方、国内では印刷会社の倒産が止まりません。東日本大震災の影響がこ
こにきて現れているという見方もあるようですが、単独での倒産ばかりでなく、
連鎖的に負債が圧し掛かってくるケースが増加しています。

業界全体が冷え込む中にはありますが、こうした時こそ、危機感を持ちながら
冷静に、地に足をつけて考えていくことが重要だと思います。

さて、なんだか暗い出だしになってしまいましたが、今回はデジタルポストサー
ビスという新ビジネスについて考えてみたいと思います。

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それでは本編に参りましょう。

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【第7回】 デジタルポストサービスについて考えてみた

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デジタルポストサービスという言葉を聞いたことがある方は多いのではないで
しょうか。9月上旬にニュースになった国内では初めてのサービスとのことです。

国内初というと、何だかすごいサービスのように聞こえますが、要はデジタルイ
ンフラを利用したポスト(=郵便)サービスという意味です。国内では初ですが、
海外では一般的なサービスになりつつあるため、海外での名称が横文字の
まま利用されているようです。

プレス発表によれば、「モバイル・コミュニケーションとしてスマートフォンなど
モバイル端末から発信並びに郵送手配まで一貫してできるハイブリットなデジ
タル郵便事業」と定義されています。今回、このテーマを採り上げたのは、この
「ハイブリッドな」という部分があるからです。

当然モバイル端末からメッセージを送るといえば、多くの方が、電子メールや
各種ソーシャルネットワークなどのオンラインメディアの利用を思い浮かべるで
しょう。今回のサービスは、こうした電子サービスと合わせて、紙を利用した郵
便を発信してくれるもので、電子データと紙とのハイブリッドというわけです。

サービスは、「手紙・DM郵便配送システム」と「電子郵便配信システム」の2種
類のシステム機能を持ちます。手紙・DM郵便配送システムは、紙に印刷した
郵便を届けてくれるというものです。利便性の高いモバイル端末から、想いが
伝わる「手紙」の郵送が可能となるわけで、国内では初めてのサービスとなり
ます。

もちろん個別に異なる手紙を印刷して発送するわけですから、印刷の部分は
デジタル印刷の出番になりますね。ちなみにこのサービスには東京リスマチッ
クが印刷事業者として出資をしています。

さあ、皆さんも考えてみてください。この手紙・DM郵便配送サービスにはどの
くらいのニーズがあると思いますか。モバイル端末を利用するユーザ層に紙に
よる手紙を送るというサービスはどのように見えるのか。電子メッセージで完結
して、紙は利用しないのではないかという意見もあるでしょうし、やはり想いを
伝える手紙という手段や媒体は、デジタル世代にも受け入れられるのではない
かという意見もあるでしょうね。ちなみにここではサービスの是非を問うている
のではありませんので、誤解無きようお願いします。

さて、一般にデジタル世代は紙離れが進んでいると言われています。
新聞購読者の減少、出版市場の縮小、年賀状などの挨拶状は電子メールで、
という現状を見れば、こうした流れは明らかだと思います。そんな中で、デジタ
ルポストサービスは、モバイル端末を利用する世代にどのように映るのでしょう。

私が、こうした現状を考えながら、このサービスについて考えていた時、ある方
との話を思い出しました。

ちょうど2年程前になりますが、某印刷通販会社の社長さんと面談する機会が
あり、事業の生い立ちなどを伺った時のことでした。その会社はもともと製版業
で、製版事業自体の縮小により、印刷へとサービスを拡大することとなったので
すが、地域内の印刷会社からの風当たりが強く、競合しないように仕方なくイン
ターネットを利用して遠方からの受注を受けることとしたようです。

印刷通販事業をスタートさせ、受注する印刷物を見ていると、これまで印刷会
社に発注していた印刷物がオーダーされるているのではなく、これまでは自宅
のプリンターで印刷されていたものや、コンビニでコピーして配布されていた印
刷物の受注が非常に多いことに気付いたとのことでした。

一般消費者から見れば、印刷会社は非常に敷居の高い所であり、誰もが簡単
に自身が作成したデータの印刷を依頼することなどできなかったのだと、社長
は仰っていました。それがインターネットで、顔を合わせることなく、明確な価格
設定で注文できるということになったことで、多くの方が利用するようになったと
いうわけです。

自宅のプリンタでも、コンビニのコピーでも出来ていたものなのです。でも、それ
が全てではなかったでしょうし、全てを満足することはできていなかったのでは
ないかと思います。だから、印刷という技術を利用した品質の高いものが手に
入るということが分かれば、一定の割合で印刷通販を利用する顧客が生まれた
のではないでしょうか。

私には、この話と今回のデジタルポストサービスとが何となく同じような形に見え
てしまうのです。紙離れが進んでいるデジタル世代ですが、それが全てではなく、
また全てを満足させるものでもなく、「紙」という媒体の良さに回帰する一定の
割合のユーザが生まれるのではないかと思っています。

このサービスは本年12月からスタートするとのことですから、その動向を楽しみ
に見守るとして、何よりこのような新しいサービスについて様々な切り口で考え
るきっかけとなったことは非常に有意義なものとなりました。

さて、皆さんはどのように考えられますでしょうか。

それではまた次号にて。

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【編集後記】
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第7号いかがでしたでしょうか。
今回はデジタル印刷絡みの新しいサービスがスタートするというニュースから
考えてみました。もちろんサービスを提供する主体となれば、こんな定性的な
評価ではなく、計数としての計画が必要になることは言うまでもありません。

ただ、ちょっとしたニュースや身近な変化の中に、「なぜか」「どうなるのか」と
いった疑問を持って考えてみる習慣を持つことは非常に重要なことだと思って
います。

デジタルポストサービスに、「へ~」と思う方は是非考えてみてください。

それではまた次回お会いしましょう。

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発行責任者&発行人: 河島 弘司
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