POD最新市場動向メルマガ【第21号】

2012-11-15

2012年11月15日発行 【第21号】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆ POD最新市場動向メルマガ
◆ ~ニュースの裏にある本質を読み解く~

━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.value-machine.jp/ ━━━

こんにちは。バリューマシーンの宮本です。
ずいぶんと冬が近づいてきた感じですが、日中の気温は高く、寒暖の差に
体がついていかない日々が続いています。季節の変わり目ですから皆さん
体調には十分お気を付けてくださいませ。

前回お伝えした次回drupaの日程については、4年サイクルを維持し、ただ
し11日間に短縮して開催されるということで決着しましたね。IGASの実行委
員会でも一安心というところではないでしょうか。

ただ、今回の問題提起は、国際印刷機材展のあり方について、事務局、出
展者、来場者のそれぞれの立場での利害を浮き彫りにしたという意味で、
貴重な議論になったのではないかと思います。

国内の大型機材展としては、来年2013年にJGAS、さらに2015年にはIGASが
開催される予定です。従来からの流れを単に踏襲するということだけでなく、
国内においても今回のような積極的な議論が行われることを期待したと思い
ます。

さて、それでは本編です。

今回の内容ですが、先日ニュースになった「消えるコピー」を取りあげたいと
思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【第21回】 オフィスのプリント物は「消す」のか「再生」か

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

すでに10年以上も前からポツリ、ポツリとニュースになっているのが、オフィス
でのプリントに利用される用紙をどのように削減するか、という環境面に焦点を
当てた技術ですね。

今回東芝テックが、専用複合機(専用トナー)と専用消色装置との組み合わせ
により、プリント(コピー)を消去して用紙を再度利用できる製品Loopsの発売に
ついてのリリースを行いました。

この技術は2011年のエコプロダクツという環境展示会で発表されたもので、
消せるボールペンで有名なパイロット社と、熱により消去可能な専用のトナー
を共同開発し、プリントしては消すことで用紙を再利用しようというものです。

ちょうど15年くらい前になりますが、仕事でご一緒していた外国人に、「お前は
何で電子メールをプリントするのか?」と聞かれたことがあります。英文での
やりとりだったこともあり、モニタ上で読むだけでは理解しきれなかったため、
電子メールでのやり取りをプリントしてホチキス止めして持って歩いていた
ときのことです。皆さんはそんな経験はありませんでしょうか。

無事に打合せが終わり、再度聞かれました。「その紙はどうするのか?」と。
当然、このプリントの役割は終えていますので、シュレッダーにかけて廃棄
することになりますね。電子メールなのに紙に出力するのは日本人くらい
だと真剣に言われました。

そうなんですね。私も含め、多くの方は、いったんプリントし、内容を確認し
た上で廃棄するということを繰り返しているということです。もちろんファイリ
ングをして保存すべき書類も数多くありますが、多くは確認のために出力
をし、用紙は廃棄して、オリジナルは電子データで保存するということを
繰り返し行っている訳です。ちなみにこの原稿を書いている間にも、他の
業務の資料をプリントアウトしています・・・

そうしたオフィスでの課題を解決するための技術となっているわけですね。

東芝テックのLoopsは2008年から開発を始めたとのこと。パイロットの消せ
るボールペン「フリクション」に目をつけ、消えるコピーが考案されたようで
す。すでに発案から4年以上が経過しているところから、多くの課題をクリア
しなくてはならなかったようですね。こうした苦労話はあちこちの解説記事
にも掲載されていますので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょう。

プリントは青色のトナーで行われます。これは、青色が一番「消えやすい」
からで、他の色にも挑戦していくそうです。実は消えるといっても、色素分が
なくなるだけであり、色材の中の樹脂成分は用紙上に残ってしまうため、
光の反射ではうっすらと印刷の跡は確認できるそう。

ちなみに再利用については、1枚の用紙で5回程度とのことである。用紙を
再利用できる代わりに、専用のトナーは一般のトナーと比較して5%程度
コスト高になるようです。トータルコストとして、費用面での効果が出ること
に加え、用紙の利用量を減らせるというメリットが挙げられています。

また、消色装置では、消すと同時にスキャンを行い、クラウド上のサーバに
デジタルデータとして保管する機能も持っており、タブレット端末やPC上で
書類を管理することができるようになっています。

同様の課題を解決する技術としては、デュプロが社内利用が可能な小型
抄紙機(製紙装置)を発表していますね。

こちらは「消す」のではなく、脱墨して再生紙を作ってしまうというものです。
RECOTiOという製品で、ちょうどワンボックスカーくらいの機械サイズを持っ
ています。

RECOTiOは、プリント済み(トナー機のみ)の用紙をセットすると、約50分で
再生紙が出来上がり、本格的な再生紙作成の技術をダウンスケールして
搭載しています。1時間でA4用紙であれば約360枚を再生可能で、再生率は
約90%、残るのはトナーゴミだけになります。

もちろん用紙の使用量を削減することができますし、外部で再生紙を作る
ことと比較して、社内で行うことで、リサイクルに伴う回収や発送の燃料・梱
包材に関するCO2発生をゼロにできるということで、環境負荷を大幅に低減
できることが説明されています。

このように、オフィスでの用紙削減、環境負荷低減というアプローチは様々
な取り組みと技術開発の中で進行していることがわかります。

素朴な疑問ですが、私はプリントした用紙に鉛筆とかボールペンとかを
利用して書き込みを行ってしまいます。また、重要だと思う部分にはマー
カーでマーキングをするのですが、これってLoopsでは消えないですよね。
RECOTiOでも、脱墨されないかもしれませんね。プリントを利用する背景
には様々なものがありますから、全てに対応することは難しいですね。

今回、東芝では、1つの事業所でコピー用紙の利用形態を1年間調査した
ようです。その結果、「コピーした書類のうち9割は、1週間経過すれば読ま
れなくなる」ということが判明したのだといいます。

こんな数字を目にすると、私の机の上の書類も、もしかして・・・と思うとこ
ろはありますね。

環境負荷の低減や、オフィスで何気なくプリントしている用紙にも相応の
コストが掛かっていることを常に意識していく必要があるかもしれません。

私などは、技術に頼るよりも先に、自身の意識改革を行うことが必要だと、
今回のニュースの中で感じました。これはオフィスだけではありません。
印刷会社の製作現場や印刷の現場でも同じことが言えるのではないで
しょうか。

それではまた次号にて。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第21号いかがでしたでしょうか。

「消えるトナー」もちろん新しい技術として注目すべき点は多くあると思います。
ただし、このニュースを見ている中で、自分は紙を無駄にしていないかという
ことを真剣に考えるようになってしまいました・・・

企業活動の中での、全ての活動にはコストを伴っているということを、改めて
考えることができたことは個人的にとても良かったと思っています。

それではまた次回。

ご意見・ご感想は→ support@value-machine.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■バリューマシーンインターナショナルのfacebookページ
 http://www.facebook.com/valuemachine.international
■ブログ「バリューマシーンインターナショナルのまちなか販促発見」
 http://blog.livedoor.jp/valuemachine/
■TWITTER @VMIstaff
■tumblr
 http://valuemachine.tumblr.com/
─────────────────────────────────
お手数ですが、変更・解除はこちらからお願いします

□アドレス変更↓
 http://value-machine.jp/mailmagazine/mailhenkou
□メルマガ解除↓
 http://value-machine.jp/mailmagazine/mailkaijo
─────────────────────────────────
発行元:株式会社バリューマシーンインターナショナル
http://www.value-machine.jp/
発行責任者&発行人: 河島 弘司
─────────────────────────────────

★このメールマガジンの転送はOKですが、掲載された記事の内容を許可なく
転載することを固く禁じます。必ず事前にお問い合わせ下さい。

━━━━━━━━━━━━ Copyright (c) 2012 Value Machine International Inc.


Copyright(c) 2011 Value Machine International Co,ltd. All Rights Reserved.